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日本とタイを泳いだ魚、プラーニン
わたしは基本的にテレビを見ないのだが、先日なかなか面白い番組をやっていた。それは皇室関係の特番。紀子さまの出産前に合わせてなのか、出産までの経緯なども扱っていたが、それ以外にも他の皇族のエピソードなども交えた内容盛りだくさんの2時間番組であった。

数あるエピソードの中で、もっとも感動したのが「プラーニン」の話題。この魚は現在のタイでは安くて栄養のある大衆魚として広く普及しているらしいのだが、その普及に何と今の天皇陛下が関わっていた!という話である。

事の発端は、当時皇太子であった天皇陛下がタイの養殖試験場に足を運んだことにあったらしい。当時はタイも戦後の貧しい時期であり、タイの国王は国民のタンパク質不足に悩んでいた。そして、その解決策としてタイでは魚の養殖を研究していたのだった。その光景を見ていて、天皇陛下はそのとき研究していたものではなく別の魚をお勧めしたのだそうだ。後にその魚は天皇陛下からタイ国王に贈られ、王宮の池で飼育された後に漁業局に配られて大規模な繁殖が行われるようになった。その魚こそがプラーニンであった。

何で天皇陛下が?と思われる方もいらっしゃるかもしれないが、実はこの方は魚の研究者なのだ。

「ハゼの分類学的研究者であり、日本魚類学会に属して28編の論文を同学会誌に発表している。平成12年(2000年)には海外誌Geneに第一著者として論文が掲載されている。また平成4年(1992年)にはScience誌に"Early cultivators of science in Japan"という題の寄稿を寄せている。魚類学における業績は各国で評価されている。」 (wikipediaより)

こういった経緯で、プラーニンはタイにやってきた。最初に贈られた50匹は繁殖しやすいという評判どおり大増殖し、今ではすっかりタイの庶民の味として定着しているのである。育てるのが簡単ということで、学校での実習としてプラーニンの養殖がカリキュラムに組み込まれているところもあるという。また、1973年にバングラディッシュが食糧危機に陥ったときには50万匹のプラーニンがタイから寄付されたそうである。タイばかり出なくバングラディッシュ国民の命も救ったのである。


日本の天皇陛下が他国のお役に立っていたということ、しかも栄養改善という末端の末端の目に見えにくい、しかし何よりも大切な部分で関与していたということは、聞いていて何ともうれしいことであった。けれども、それ以上にうれしかったのは、タイの人々がそれを感謝してくれているということであった。プラーニンというのはタイの呼び名で、その名はタイ国王によって命名されたとのことであるが、その由来は何と天皇陛下の名前である。天皇陛下の名前の「明仁」から「仁」を取って、それをタイ語で「魚」を意味する「プラー」と組み合わせて「プラーニン」。タイ国王の敬意を感じることができる名である。それに加えて、この魚が日本の天皇に由来している魚であるということをタイの方々が忘れずに、次の世代にも伝えてくれているということである。授業の一環として養殖で扱われるということを紹介したが、その際には必ずこのエピソードに触れられるそうである。他の方のブログでのアンケートでは、質問したタイ人10人中全員がプラーニンを知っており、その中の7人は天皇陛下が寄贈したことを知っていたという。


このような調子で放送中はずっといい気分だったのだが、終了後にこういった美談はなぜ日本でほとんど知られていないのだろうかと考えると途端に嫌になってきた。杉原千畝などはわりと知られていると思うが、もっと探せばいくつも似たような話は出てくるはずである。こうした優れた人物の優れた行動を知ることは、それを学んだ者へひとつの行動モデルを与える。たとえば、この話に感動した人間は発展途上国の栄養改善を目指して学者になるかもしれない。千畝に感動した人間は外交官になりたいと思うかもしれない。こうしたモデルなしに何でもやっていいなどと言われても、やりたい何かが見つかるはずもない。手近にある情報などはどうしようもないものばかりである。テレビを眺めていても、守銭奴か犯罪者かの話か、それでなければ馬鹿ばかしいおしゃべりばかり。そんな環境を用意しておいて、殺人犯にあこがれる若者をどうやって責められよう。

メディアについては、その責任の重さを自覚すべきであろう。メディアはヒーローを作り出す。そして、人はヒーローにあこがれる。とすれば、それを作り出す側としては重大な責任があることを理解していなければならない。多少古いかもしれないが男ならばプロ野球選手、女ならスチュワーデスなどといったような子どもの将来願望モデルは、メディアの扱うイメージに大きく依存している。これらであれば問題ないであろうが、そればかりではない。たとえば西鉄バスジャック事件の犯人が酒鬼薔薇聖斗にあこがれていたように、過剰な報道と取り扱いはしばしば若者をミスリードさせてしまう。であるがゆえに公器としてのメディアは大きな責任が嫁せられており、誰でも参入できるわけでなく免許制になっているはずである。にもかかわらず、その座に甘んじて金稼ぎに精を出すなどというのは言語道断である。

教育の分野からも考えてみよう。先人のヒーロー化とそのモデルの強要をことさらに煽ってきたのが戦前の教育であり、その反動としてそれらへの拒絶反応があるのは理解できなくもない。とはいえ、それをそっくりなくしてしまうのは極端に過ぎるだろう。その内容と方法の取捨選択がされるべきなのであり、それをせずに一方的に反対という調子では、何も進歩していないことと同義である。わたしの意見としては先述の通り、優れた日本人は積極的に紹介されるべきであると考える。たとえば二宮金次郎や西郷どん、新渡戸稲造などであり、そこから得られるものは大きいであろう。それは心の教育などという心理学的な怪しいものをやるよりは、よほど有益であるかと思う。

人間なら誰しも、他の人間に注目を受けたい、評価されたいと思う気持ちはあることだろう。それならば社会としては、そしてまたその準備期間である学校という場においては、そういった願望が正しい方向に(正しいという言い方に抵抗があるのならば「悪くない方向に」でも良いが)発達していくことができるような土壌を用意するべきである。そして、そのひとつの方法として、先人の偉業を知るということは意味のあることであるかと思われる。

どれだけの人間が見たのかは知らないけれども、天皇陛下というヒーローを報道し、そのひとつの行動モデルを与えたという点で、今回の番組は非常にすばらしいものであったと評価することができる。グッジョブ、TBS。放送免許剥奪への署名は現時点では止めておくよ。→ TBS放送免許剥奪署名運動


最後に、話題に興味を持った方に内村鑑三の「代表的日本人」をお勧めしておく。その名の示す通り、代表的日本人として西郷隆盛・上杉鷹山・二宮尊徳・中江藤樹・日蓮という五人の偉人をとりあげ、その生涯を紹介している著書である。もともと海外の読者向けに英語で書かれた文章なので、文章も平易で分かりやすい。読めば歴史の授業などでは名前だけであった偉人たちが、生き生きと甦ることだろう。

なお、今回の記事についてはtrahito68さんによる「タイ☆キング of フリーダム in クルンテープ(バンコク)」内の「陛下のおさかな 『プラーニン』」を一部参考にさせていただきました。

☆本日のコピペのコピペ☆
地元のスポーツ用品店に、バット買いに行った時
俺「あの、ちょっとお尋ねしたいんですけど・・・」
店員「アニメイトなら5階ですよ」

1~4階:スポーツ用品店
5階:アニメイト

ブログランキング参加中。プラーニン、あんまりおいしくはないらしいです…。

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Comment
≪この記事へのコメント≫
昨日は、私のブログにご訪問いただきありがとうございました。
なかなか充実したブログですね。
これからも、時々お邪魔すると思いますのでよろしくです。
2006/09/05(火) 01:17:41 | URL | とらひと #-[ 編集]
訪問ありがとうございます
もともと東南アジアは大学での友人もおり親近感があったのですが、この話でタイにも特別な感情を持つようになりました。たいそう感動した日本人がいたとお伝えいただければ幸いです。またのお越しをお待ちしております!
2006/09/05(火) 01:37:20 | URL | Hoz #-[ 編集]
初めまして。プラーニンで検索してたどり着きました。
現在、タイに住んでいて知らなかったのですが、
日本でそんな番組が放送されたのですね。
何とか手にいれてみたいと思います。
天皇がご訪問になった養殖場は
おそらくアユタヤ県バンパイン郡にあるものだと
思います。今年6月のタイ御訪問の際にも
立ち寄られる可能性がありました。

とても参考にさせて頂きました。どうもありがとうございます。

P.S. マスコミの影響など、色々と洞察深く御考えに
   なっていて、尊敬致しました。


2006/11/12(日) 16:01:10 | URL | タイ #-[ 編集]
コメントありがとうございます。

現地に住んでいらっしゃるんですね、番組によるとかなり認知度は高いとのことだったのですが、実際にはどうなんでしょうか。
番組は上にあるようにテレビ東京の皇室番組です。you tubeなんかで調べてみたんですが、どうもないようですね。たまにはマトモな番組も作るんだと感心したもんです。
この件についてはまだまだ認知度が低いようですね。「プラーニン」で検索して頭の方にこのブログが出てくるくらいですし。しかし、ごくたまに検索で来られる方がいらっしゃるようで、興味を持った方の情報提供にはなってるかなとは思います。何か現地でご存知の情報があれば、是非教えていただきたいです!
2006/11/15(水) 23:22:49 | URL | Hoz #-[ 編集]
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魚類学魚類学(Ichthyology)は動物学の一部で、魚類に関する学問である。硬骨魚綱とサメやエイなどの軟骨魚綱、無顎類を含む。海洋生物学や陸水学、海洋学と密接な関係がある。.wikilis{font-size:10px;color:#666666;}Quotation:Wikipedia- Ar
2007/02/05(月) 04:48:27 | ギョギョギョでうぉっと驚き
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